恐ろしき丁寧語2005年07月10日 11:06

 園芸に興味があるので日曜日の朝NHKの「趣味の園芸」を見ている。本日も先ほど“クレマチス”と“フウラン”をテーマとした放送があった。
 この放送の中で「枝を切ってあげる」だの「植えてあげる」という言葉がぼろぼろと飛び出して来て非常に不快な思いにさせられた。それも恰幅のよい中年男の口から!このような言葉は普通は「枝を切ります」とか「植えます」でよい筈である。
 この類の言葉を聴かされて不快になるのは今朝の放送に限ったことではない!殆ど毎週のごとくである。いやなら聞かない手もあるが、内容には興味がある。どうも残念である。
 でも、たまにはこの嫌な言葉を聴かされないで済むときもある。先週がそうであった。“盆栽”についての放送で、埼玉の盆栽農家の女性であった。放送終了後、すがすがしい気持ちにさせられた。たった、こんなことで!
 似たような変な言葉は料理業界(特に西洋料理)でも蔓延しているようで、俗に言う「シェフ」の出てくる料理番組でよく耳にさせられる。
 「花」や「料理」は女性を対象にすることが多い。恐らく丁寧語のつもりで、この変な言葉を無批判で臆面もなく使い始めたのであろう。でも、大げさに言えば教養の程度が丸見えである。

 問題なのはNHK、あるいは「放送業界」である。正しい言葉に関する番組を放送する一方で、このような悪質言語の蔓延を助長しているのはどうしてであるのか? (助長とは言いすぎと言うなかれ、これらの放送を視聴している人の多さに心を致すべきである)