携帯電話2005年06月16日 16:36

少し前になるがNTTドコモから、「PHSの新規受付を中止する。2年後を目途にPHSサービスを廃止する」との連絡があった。
 PHSはmobile internetに随分利用し、その関わりは長かった。最近ではinternet目的では殆ど使っていない。最近ではもっぱら「今から帰る」や「今夜のおかずは?何を買って帰ろうか?」的な連絡のみに用いている。
 街中に溢れる「ケイタイ・カメラ」や「I-modeメール」など、鼻にも引っ掛けたことがなかったのだが、将来PHSが使えなくなる(ドコモのであるが)と聞くと何かを持たないと不便に思えてきた。

このようないきさつでFOMAの購入に及んだ、N910iCである。

*** 120g vs. 980g ***

 端末の購入・手続きのすべてを終えて帰り際に「どうぞこの袋をお持ち帰り下さい」と差し出されたものがある(このとき端末は既に私のポケットに入っていた)。あーそうか、マニュアルが要る。
 でも、受け取った紙袋は意外に重たい!何かノーベルティーでも入っているのかな?と、さもしい根性を起こして持ち帰り、開けてびっくり、数枚のパンフレットを含めてマニュアル類ではないか!
 本体がわずか120グラムであるのに、マニュアルの合計が980グラムであった。主たるマニュアルは593ページもある。
皆さん、ケイタイのマニュアルを全部お読みになりましたか?

 「あれも出来る、これも出来ます」開発者は今までの努力を自慢したいだろうし、同業他社に差をつけるためには、何か新しい機能を付加したいのは理解できるが、あれも、これも、それらの記述が同等に扱われていて、それが読みにくい原因になっているのではないだろうか?
 電話の最も重要かつ基本的な使用方法についてのページ数は次の通りで、細かな活字で盛り沢山である。

電話のかけ方:p.48-60  電話の受け方:p.60-66

 電話のかけ方の中には、国際電話、サブアドレス設定(私には解らぬ)や プレフィックス設定(これなーに?)など、使い方の習熟度が上がってから覚えればよい事柄までが載っている。然るにあらかじめ記憶させた電話帳を使ってのかけ方はこの中に書いてない!(電話帳という項目が別にあって、そこの最後の方に書いてある)

何を言いたいの?

 悪口を書くのが目的ではない、物価競争の波に洗われているといえども、われわれにとっては金を払って買った品物である。そのものの持つ機能のすべてを使ってこそ、そのものの価値が生きる。そのためにはマニュアルを十分に読む必要がある。
 しかし、これらの機能の重要度は、それぞれ異なる筈である。例えば、絶対に覚えなければならない基本的機能と十分なれた人にとっては便利な機能などと分類が出来る筈である。
 開発競争や安売り競争の波にもまれて、マニュアルなどに勢力を割く時間がないのかも知れないが、もっともっとTechnical Writingの勉強をしてもらわなければならないのではないか?
 
それともPHSにだけ頼っていた私がもうこんなに時代遅れになっているのだろうか?

携帯電話(2)2005年06月24日 14:53

数日間携帯電話をいじくった感想を述べてみよう。(ここ出てくるページ数は「取扱説明書 FOMA N901iC '05.2」のページを指している)

ダイアルボタン

 PHSの番号ボタン配置は4行4列で、ボタンの形状が四辺形であり、照明も特に問題なかった。
 今回は、マルチファンクションボタン類を搭載したことなどから、ボタン配置が5行3列、しかも形をスマートに仕上げる関係で、ボタンの幅が“1”から“3”の行よりは“*”から“#”の行が狭くなり、形状が単純な四辺形ではなくなっている。このため私のような無骨な指先ではすぐに隣のボタンを同時に押す事故があるため、ゆっくり一つ一つ押さねばならない。でもPHSと比較してもダイアルボタン部分のサイズは殆ど同じである。新しい製品のくせに昔の製品よりもボタンを押しにくい!いったいどうしたことか?格好にとらわれて操作性を犠牲にしている。
 その上照明も、表示窓が明るすぎて、照明があるのかどうか分からないほどその効果は皆無、よって暗い場所でのダイアル操作は困難である。

電池

 「ご使用前の確認」という見出しに「携帯電話を充電する」という項目がある(p.40-41)。“充電が終了したら充電を止めろ”という記述はある。当然であろう、でも、どうなったら充電が完了しているのかは、この項目最後の囲み「お知らせ」に、雑多な事柄と一緒に小さな文字で書いてあるだけ。皆さん、どなたも気になさらないのでしょうか?

電話のかけ方

 マニュアルには「電話のかけかた/受けかた」という項目があり、「1回の通話ごとに発信者番号を通知/非通知にする」、「プッシュ信号を手早く送り出す」などなど、使い始めには必要ともしない事柄までが書いてある。これらのうち素人にはこれくらいが適当と思われる項目を挙げてみよう。
電話のかけ方(直接ダイアル) p.48
 これは特に気になる点はない。しかし、通常電話ならハンドセットを持ち上げてダイアルをするが、ここでは、最初に番号を押してから、ハンドセットを持ち上げている電話の絵のボタンを押すことになっている。古い時代の人間にとっては、逆の操作に思えるのだが。まあ、しようがない、でも一度試してみよう!
電話番号の入力を間違えたとき p.50
前にかけた相手にかけ直す(リダイアル) p.50-51
 但し「リダイアル画面/発信履歴画面の機能メニューを使う」などはリダイアルの最中に使う必要があるのだろうか?あったとしても扱いに慣れない頃は無理でしょうね。
電話帳から電話をかける p.98-99
 こんな便利な機能がなぜ別の項目の中に?電話帳の扱いかたを述べた部分に掲載されているからです。
 でも、電話帳への登録方法などは、参照ページを記入しておくなどして、これは電話のかけ方と一緒にして欲しい。
少ないボタン操作で電話をかける p.110

電話を受ける

 これも最初は余り盛り沢山にしないで欲しい!
電話を受ける p.60
 これはこれで分かるのだが、通話の終了は“ハンドセットを下ろした絵”のボタンでなければならないのか?携帯電話を折りたたんだときではいけないのか?
 折りたたんで終了出来ることは、少し離れたp.62に記述がある。項目「電話を受ける」にも書いておくほうが親切であろう。
ダイアルボタンを押して電話に出られるようにする p.61
 これはエニーキーアンサーで、呼び出しがあるとすぐに出られるので便利である。
着信履歴を利用する p.62
不在着信を確認する p.69
 不在着信があったかどうかの確認が本命である。然るに確認方法の記述には通常フォントの活字が用いられている。設定方法などはこれよりも大き目の活字で、必要に応じてボールド体が用いられているのに!
電話に出られないときに用件を録音する(留守碌) p.70
 これも始めの頃から使いたい機能である。特に携帯の場合は列車内や公衆の多い場所など、電話を遠慮しなければならない場所では必須の機能のはず、なのにマナーモードの設定方法とか、設定方法が記述したページが示されていないのはなぜなのか?少なくともマナーモードのセット方法と解除方法だけは電話の受け方の中に盛り込んで欲しい。ちなみにマナーモードの記述はp.119にある。

マナーモードについて

 裏表紙裏に「マナーモードも一緒に携帯しましょう」と格好のいいことが書いてある。「マナーモード・・・」「ドライブモード」・・・と記述があるが、何ページを見ろという参照がない。一言入れるとどんなに効果的か!

 決して携帯電話にケチをつけているのではない、しかし、不慣れな私などが使おうとしても、肝心の項目を探し出すのに四苦八苦である。どのようにすれば分かり易いマニュアルが作れるのか、簡単そうで難しい問題である。難しいがゆえにおろそかにしてきた面もある。先日購入したメモリー音楽プレーヤーなど、使い方をこちらで想像・判断しなければならなかった。幸いに国産ではなかったが・・・。
 おろそかにするまいと思うと、何もかも書く、お陰で読み辛くなる。PL法などもあるので、訴えられても「ここに書いてある!」とふんぞり返っていることが出来る。だけど、どのように書けば分かりやすくなるのか、それが大変な事柄である。