サントン・その2 ― 2005年12月20日 20:33
この記事は、一昨日の同名のブログを補足するものである。写真は同じものを再度掲げてある。
サントン(Santon)とはプロバンス語で「小さな聖者」を意味し、「クリスマスのまぐさ桶」を
飾るのに用いる、彩色を施したプロバンス地方の「泥人形」のことである。
12月に入ると、マルセイユ観光の中心地ビユーポール(旧港、vieux port)のベルギー波止場
(quai des Belges)を起点とするマルセイユで一番の繁華街であるカネビエール通り(La Canebière)
と、その頂点に教会を共有するガンベッタ通り(Allée L.Gambetta)に挟まれた三角形の緑地帯に
サントンを売る小屋が立ち並び、夜ともなると地元の人のみならず、このためにマルセイユを
訪れた観光客などでごった返す。
「まぐさ桶」とは、キリストが生れ落ちた馬小屋の備品で、プロバンス地方の人々は、この
「まぐさ桶」を中心に、箱庭のように、さまざまな泥人形や石造りの家屋や風車小屋の模型までを
飾り立てる。
キリスト生誕には、母マリア、ヨゼフ、3人の東洋の博士などがお祝いに訪れたが、プロバンス地方
では、これらの人物以外に、オリーブ油売り、粉引き、にんにく売り、ウサギを土産にした男女、太鼓
敲き、etc.,etc.その上、ヤギ、ヒツジ、ニワトリなどの動物など、プロバンス風解釈で祝いに
かけつけた人たちや動物の泥人形を飾りつける。
ここの写真は、以前に買い集めたものの一部である。残念ながらキリストなんぞに興味がない
ので、プロバンス風俗の人たちとなっている。
最近では、クリスマス時期だけではなく、年中サントンを買うことが出来る。たとえば
ここがマルセイユで有名な泥人形屋である。博物館を持っている他製作工場の見学ツアーなどを
催している。また、泥で作り彩色した人形のほか布製の(当然であるが)着物を着せたサントン(santon habillé)
もある。
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